麻雀の点数の「3,900点(ザンク)」、なぜキリの悪い中途半端な数字なのかご存知でしょうか?
子の30符のロンアガリでは、1,000点(1飜) ⇒ 2,000点(2飜) ⇒ 3,900点(3飜)という点数の階段になっており、3飜は4,000点と言いたい気持ちになります。
麻雀の点数計算といえば、「飜数と符で計算される」との理解が一般的ですが、実はこの点数計算の裏には「基本点」や「場ゾロ(バンバンとも呼ばれます)」という考え方があるのです。
このページでは、「基本点」や「場ゾロ」の意味を解説し、3,900点(ザンク)がキリの悪い点数になる理由について、深掘りしていきます。
※正直なところ、この基本点や場ゾロを知らなくても問題なく麻雀を楽しむことはできますが、興味のある方はご一読ください。
基本点や場ゾロ(バンバン)の意味とは?
まずは基本点と場ゾロの定義について解説します。
基本点は符と飜数に関係する値であり、算出方法は以下のようになります。
オレンジ色で強調している「2」が場ゾロ(バンバン)というものです。
この計算式だけでは、なかなかイメージできないと思いますので、
たとえば、2飜30符の基本点はどうなるかといいますと
基本点は480点という算出結果になりました。
この基本点を使って、皆さんに馴染みのある実際の点数(1,000点、3,900点、8,000点など)を計算することになります。
以下の2つの観点に基づいて、基本点×○倍を計算することになりますが、詳細は次のパートで説明します。
「親なのか?子なのか?」
「ツモアガリなのか?ロンアガリなのか?」
基本点を使って実際の点数を計算する
基本点を使って、実際の点数を計算する方法を解説します。
結論からお見せしますと、以下の構造になります。
パターン①:子のロンアガリでは基本点の4倍
子のロンアガリでは、基本点の4倍が点数となります。
先ほどの例では、2飜30符の基本点は480点でしたので、これより実際の点数を計算すると
480×4=1,920 → 2,000点
基本点の4倍は1,920、100点未満を切り上げて2,000点という結果になります。
※基本点から点数を算出した結果、100点未満は切り上げるというルールになっています。
皆さんに馴染みのある点数が出てきたのではないでしょうか?
パターン②:親のロンアガリでは基本点の6倍
親のロンアガリでは、基本点の6倍が点数となります。
子の4倍に対して親では6倍となっているのがポイントで、当たり前となっている親の点数は子の1.5倍というのも、この倍数の比率(6÷4=1.5)に基づいています。
パターン③:子のツモアガリでは、親からは基本点の2倍、子からは基本点の1倍の点数を獲得
子のツモアガリでは、親と子でもらう点数が異なりますね。
おおよそ、子の2倍の点数を親が支払うというルールになっていますが、これも基本点に基づいている設計なのです。
親からは基本点の2倍、子からは基本点の1倍の点数をもらいます。
パターン④:親のツモアガリでは、基本点の2倍の点数を子全員から獲得
一方で親のツモアガリでは、基本点の2倍の点数を子全員からもらいます。
2飜30符(基本点は480)の例で計算してみましょう。
480×2=960 → 1,000点
基本点の2倍は960、100点未満を切り上げて1,000点オールという結果になりました。
3,900点(ザンク)のキリが悪い理由を深掘り
ここまで基本点や場ゾロ(バンバン)、そして基本点をベースにした点数計算方法を解説してきました。
3,900点(ザンク)のキリが悪い理由を理解する土台が整いましたので、子の3飜30符のロンアガリのケースを見ていきたいと思います。
まず基本点は、下記の計算結果の通り960点になります。
続いて、実際の点数を計算すると次のようになります。
基本点960の4倍は3,840、100点未満を切り上げて3,900点という計算結果になりました。
キリが悪く見えるのは必然というわけですが、改めて1飜や2飜のケースと合わせてまとめてみましょう。
子の30符ロンアガリのまとめ
飜数 | 場ゾロ | 基本点 | 計算結果 | 点数(100点未満切り上げ) |
1 | 2 | 240 | 960 | 1,000 |
2 | 2 | 480 | 1,920 | 2,000 |
3 | 2 | 960 | 3,840 | 3,900 |
4 | 2 | 1,920 | 7,680 | 7,700 |
いかがでしょうか?
1,000点、2,000点のキリが良かった(千点未満がゼロ)のがむしろ偶然だった、
そして飜数が1つ高くなると点数はおよそ2倍になるが、100点未満の切り上げルールがあるため、倍々には増えていかないことが見て取れます。
これが、3,900点(ザンク)がキリの悪い中途半端な数字に見える理由です。
ちなみに4飜30符の場合、基本点から点数を算出すると7,700点になりますが、これを8,000点とする切り上げ満貫を採用するルールが一般的です。
点数表は基本点・場ゾロの計算を省略した便利なツール
ここまで、基本点や場ゾロ(バンバン)について説明してきましたが、実際に麻雀を打つ際にはこれらの計算は不要です。
皆さんもご存知かと思いますが、符×飜数の組み合わせで点数計算結果をまとめた点数表があり、それを理解する/覚えることが重要です。
見方を変えれば、点数表は基本点や場ゾロ(バンバン)を省略し、機械的に点数を計算することができる便利なツールとも言えるんですね。
たとえば、本ページで取り上げてきた2飜30符に関しても、点数表で簡単に結果を参照することができます。
子の場合:2飜30符は2,000点
親の場合:2飜30符は1,000点オール
【参考】満貫以上の基本点は決められている
符計算が不要である満貫以上の場合、基本点は次のように決められています。
- 満貫:2,000
- 跳満:3,000
- 倍満:4,000
- 三倍満:6,000
- 役満:8,000
たとえば、子の満貫のツモアガリなら、子からは基本点×1の2,000点、親からは基本点×2の4,000点をもらいます。
親の役満のロンアガリなら、基本点×6の48,000点が点数となります。