このページでは麻雀の鳴き「カン」について説明します。

基本的な鳴きのポン・チーと比べてカンは珍しく複雑な鳴きですが、打点が上がったり嶺上開花・三槓子などの役で必要になるので、一通りルールを理解した方は覚えておきましょう!

ポン・チーを確認したい方は以下をご覧ください。

牌を組み合わせる方法(ツモ・鳴き)

カンとはどういう鳴きか?

カンとは、槓子一萬:麻雀王国一萬:麻雀王国一萬:麻雀王国一萬:麻雀王国などの同じ4牌の面子)を作る鳴きのことです。

ピンと来ない方は、ポンは刻子(一萬:麻雀王国一萬:麻雀王国一萬:麻雀王国などの同じ3牌の面子)を作る鳴きでしたが、それを4牌にしたものとイメージしてください。

ただし、ポンは他のプレイヤーが捨てた牌に対する鳴きでしたが、カンは自分の手牌にある同じ4牌を使って「カン!」と宣言することもできます。

これを暗槓といいます。詳細は後ほど説明します。

カンの3つの特徴

なぜカンは複雑な鳴きと言われるのでしょうか?

それはカンはただ槓子を作るわけではなく、自分の手牌や場に様々な影響を与えるからです。

ここではそんなカンの3つの特徴について説明します。

カンの特徴1
カンの特徴2
カンの特徴3

特徴① ドラが増える

これが最大の特徴と言えますが、カンが発生した際にはドラが1枚増えます。

ドラ表示牌の隣の牌を表向きにし、新たにドラ表示牌として扱います。この新しいドラをカンドラともいいます。

また、リーチ時の裏ドラも1枚増えることになります。

特徴② 手牌の牌数が増える

同じ面子でも順子・刻子は3牌で構成されるのに対して槓子は4牌で構成されますので、カンの後は4面子1雀頭を作るために1牌足りない状態となってしまいます。

そのため、嶺上牌(リンシャンパイ)と呼ばれる牌を新たに手牌に加えます。嶺上牌は以下の画像のように、通常のツモ山とは違う場所に置かれています。

嶺上牌の説明

この嶺上牌でツモアガリとなった場合は、嶺上開花(リンシャンカイホー)という役がつきます。

麻雀アニメ「咲-Saki-」でも有名な嶺上開花ですが、実際は非常に珍しい役です。

補足

局中にカンが発生した場合、カンの回数の牌数分だけハイテイのタイミングが早まります

例えばカンが1回発生して流局する場合、通常より1牌前のタイミングがハイテイとなります。

これは王牌(ワンパイ、嶺上牌やドラ表示牌など通常のツモの対象外となる牌山)は14枚残さなければならないというルールがあり、嶺上牌を使った分、通常のツモ山から王牌の牌を残す必要があるためです。

特徴③ 符が高くなる

槓子は刻子よりも符計算上の点数が高いので、カンを行うと符が高くなります

槓子の符計算の点数

暗槓(アンカン)については後述で説明しますが、特に么九牌の暗槓(アンカン)は32点と非常に高く、符計算上では実質1飜アップとなります。

符計算方法の詳細を知りたい方は以下をご覧ください。

麻雀の符計算についてプロが徹底解説!

カンの種類

ここまでカンの特徴について説明してきましたが、ここからはカンの種類とやり方について説明します。

カンには以下の3種類があります。

カンの種類

では、暗槓/加槓(小明槓)/大明槓のそれぞれの特徴を見ていきましょう。

カンの種類① 暗槓(アンカン)

自分の手牌の中に同じ牌が4枚あるとき、「カン!」と宣言し槓子を作ることができます。これを暗槓(アンカン)といいます。

暗槓の最大の特徴は他の鳴きとは違って他人の牌を使っておらず、カンの後も門前扱いとなる点です。

そのため暗槓後にリーチをかけることができます。

暗槓後のリーチは「ドラが増えている」・「符計算上の点数が高い」ため、相手に大きなプレッシャーをかけることができます。

暗槓の手順は以下の通りです。この例では4牌の中:麻雀王国が手牌にあるときの様子を表しています。

アンカンの手順

カンの種類② 加槓(カカン)

明牌(ポンしている刻子)と同じ牌が手牌にあるとき、「カン!」と宣言し槓子を作ることができます。これを加槓(カカン)または小明槓(ショウミンカン)といいます。

加槓の手順は以下の通りです。この例では既に中:麻雀王国をポンしていて、4牌目の中:麻雀王国が手牌にあるときの様子を表しています。

加槓の手順※カンは強制ではないので、「カン」と宣言せずに中:麻雀王国を切ることも可能です。

また加槓(カカン)に関連して、槍槓(チャンカン)という役がありますので、気になる方は以下のページをご覧ください。

https://mj-station.net/rule/chankan/槍槓(チャンカン)について徹底解説!アンカンの場合はどうなる?フリテンには注意!

カンの種類③ 大明槓(ダイミンカン)

暗刻になっている牌と同じ牌が他のプレイヤーから切られたとき、「カン!」と宣言し槓子を作ることができます。これを大明槓(ダイミンカン)といいます。

大明槓の手順は以下の通りです。この例では中:麻雀王国が自分の手牌で暗刻となっていて、他のプレイヤー(Bさん)から中:麻雀王国が切られたときの様子を表しています。

大明槓の手順※カンは強制ではないので、「カン」と宣言せずに中:麻雀王国を暗刻のままにすることも可能です。

プロでも判断が分かれる? カンの難しさ

ここではオマケで少し上級者向けの内容を書いています。カンは場や自分の手牌に様々な影響を与えますので、プロでも判断が分かれるほど難しい鳴きです。

例えば…

  • ドラが増えることにより場がインフレし、アガリが発生した際の得点が高くなる
  • 相手にある特定の牌(カンした牌)がもうないことを知らせる
  • 暗槓した牌は槓子として確定し手牌が短くなるため、自身の守備力が低下する
  • 相手のツモ回数を減らすことができる(リーチ宣言者のハイテイツモを防ぐ際によく使われます)

麻雀プロ・上級者はこのような要素を総合的に考えた上で、カンすべきか否かを判断します。

まとめ

このページでは鳴きの中でも最も複雑なカンについて説明しましたが、いかがでしたか?

基本的にはカンの特徴と種類さえ押さえておければ問題ありません。

カンの特徴

  1. ドラが増える
  2. 手牌の枚数が増える
  3. 符が高くなる

カンの種類

カンの種類

カンの動画説明

カンの動画説明をご覧になりたい方は以下をご確認ください。